KIMONO journey 第二回【秋草の話】
もっと着物を身近に感じて頂くため、着物の柄の話や、染手法の話や、織物の話を【紬-tsumugi-】の目線でお話していくコラムです。
秋の訪れをかんじても良いころなのに、まだ、夜の虫の音、ファストフードから販売される月見シリーズでしか秋を感じられない暑さの続く今日この頃。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?
前回は初回ということもあり、ディレクターにとって一番思い入れのある花【梅の話】をお話しました。
今回は少し季節に合わせた【秋草の話】をしようと思います。
まず、秋草とは、秋に花の咲く草の総称です。
主に尾花(おばな)薄(すすき) 桔梗(ききょう)女郎花(おみなえし)藤袴(ふじばかま)葛(くず)萩(はぎ)菊(きく)などです。
この文様の特徴は、単体で使用されることがなく、秋草が集まって描かれる事の多いのも特徴です。
秋風になびく草花に、トンボや蝶なども合わせて描き、どこか風情を感じる柄であり、
まだ暑い今時期に着ることで涼しさを感じることのできる着物だったのだと想像しています。
また、良く見るのは、地文様が秋草文様で上に桜、梅そして松など季節の違う花々と描かれている小紋の着物です。
これは通年で着ることのできるように、冬・春・秋の花を描いています。
植物で季節を表現し、いつでも着ることのできるようにと柄を描くのも、日本の四季があるおかげですね。
秋になると【○○の秋】と呼ばれるようになりますが、皆さんはなんの秋ですか?
私の2023年の秋は【カナダの秋】になりそうです。
とうとう来月に迫ったバンクーバーファッションウィーク。
準備は・・・・まだまだですが、カナダも訪れる頃には有名なメープル(オークツリー)の紅葉が綺麗な時期でしょう。
次回のコラムは【なぜバンクーバーファッションウィークに挑戦したか】でも書いてみます。
皆さんも季節の変わり目ですのでくれぐれもご自愛くださいませ。